今回は、FXでのテクニカル分析の種類と分析のやり方について解説します。
ファンダメンタルズ分析との違いについても触れているため、分析手法を始めたい方も参考にしてください。
「テクニカル分析」と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、テクニカル分析はチャートの数値に注目して行います。
チャートの見方がわかれば分析できるため、FX初心者の方もチャレンジしてください。
- テクニカル分析は、過去のチャートの動きを参考に分析する手法
- ファンダメンタルズ分析と違い、テクニカル分析は経済状況が判断材料にならない
- テクニカル分析には「トレンド系」「オシレーター系」の2種類がある
- テクニカル分析は複数組み合わせることで分析の精度が高まる
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目次
FXのテクニカル分析とは?勉強しても意味ない?
FXのテクニカル分析とは、過去のチャートを参考に相場を予測する分析手法です。
投資家の心理状態を分析し、過去の価格推移や値動きと似たパターンを見つけて相場予測を立てながら取引を進めていきます
チャートのパターンから視覚的に分析できるため、経済や金融の知識がなくても分析することができるのがポイントです。
また、「FXにおけるテクニカル分析は意味がない」という声もありますが、テクニカル分析の知識は持っておいて損はないでしょう。
テクニカル分析のスキルがあれば、売買タイミングを見分けるのに役立つといわれているからです。
投資家からも、テクニカル分析に対してプラスの口コミがあります。
こういう時は感情排除して、単純に上がりそうに見える通貨を買い、下がりそうに見える通貨を売る方がいいようにも見える。知らんけど。
自分はずっと仮想通貨のテクニカル分析は意味ないと思っていたけど、この1年の動きを見ると、ファンダよりテクニカルの方が素直に反応してる。素人には不利な相場— Guko (@crypt_guko) March 22, 2019
テクニカル分析が意味ないから勝てないんじゃなくて、意味ないテクニカル分析をしたら勝てない。要はカーブフィッティングや関係ない指標使うのがダメって事なのじゃないかな。
自分が出来ない事は他人も出来ないと思わないで、自分は出来ないけど他人は出来るかもと思わないと可能性は広がらない。
— JIN🤡システムトレーダー (@ea_fx_suzuki) October 12, 2020
FXのスキャルピングでは、テクニカル分析がとても大切。ファンダメンタルも一応頭に入れておくけれどね。
— 崎山晃 (@98sakiyama98) September 27, 2021
たまにコメントでテクニカル分析意味ないとか言う人いるけど昨日のサポートラインの下げ止まり、同じラインで止まるトリプルトップの形成、IOSTにもある爆上げの予兆、これ全部テクニカルが効いてるからですよ😎
相場が当たらないのは使いこなせてないだけ。— 【仮想通貨・株YouTuber】 アオヒゲ仮想通貨 (@KnJGCyeGurrUm2y) April 19, 2021
トレード手法の知識がない方は、まずはチャートから把握できるテクニカル分析を身につけてみてはどうでしょうか。
ファンダメンタルズ分析との違い
FXのテクニカル分析と似た手法に、「ファンダメンタルズ分析」があります。
この2つの分析方法の違いは以下の通りです。
- テクニカル分析→過去のチャートの値動き・価格推移から、今後の相場を予測する
- ファンダメンタルズ分析→経済指標・金融政策・要人発言から、今後の相場を予測する
チャートの過去のデータをもとに分析するテクニカル分析に対し、ファンダメンタルズ分析は経済指標や金融政策といった世界各国の経済状況から分析します。
ファンダメンタルズ分析は経済状況を理解する必要があるため、FX初心者の方はテクニカル分析の方がはじめやすいといわれています。
経済や金融の知識に自信のない方は、テクニカル分析に慣れてからファンダメンタルズ分析にチャレンジしてみるといいでしょう。
(ファンダメンタル分析を行わない方でも、経済状況をチェックする習慣を身につけておけば、より相場を予測しやすくなります)
テクニカル分析の種類
テクニカル分析には、次のような2種類があります。
- トレンド系→値動きのトレンドや強さを分析する
- オシレーター系→相場の中で買われすぎ・売られすぎを分析する
1つの方法だけで分析しても相場に対応しきれないため、状況に応じて両方の分析方法を活用するといいでしょう。
以下の動画でも、テクニカル分析の種類の選び方について解説されているので参考にしてください。
①トレンド系
トレンド系は、相場が動く方向であるトレンドの流れを分析する分析方法です。
経済指標や金融政策などからトレンドを予測する方法もありますが、チャート上でもトレンド分析は可能です。
トレンド系のテクニカル分析は値動きの方向感を意識するため、順張り※のFX取引を行う際におすすめといわれています。
※上昇トレンドを買い、下落トレンドを売る取引方法。
たとえば、トレンド系のテクニカル指標でドル円が上昇傾向にあれば、ドル円に買い注文を入れた方がいいと予測を立てることができます。
②オシレーター系
オシレーター系は、買われすぎている・売られすぎているを判断するための分析方法です。
値動きの方向に注目するトレンド系と違い、オシレーター系は相場の振れ幅に注目して分析します。
オシレーター系のテクニカル分析は、逆張り※のFX取引におすすめとされています。
※買われすぎている銘柄は下降すると見越して売り、売れすぎている銘柄はこれ以上の下降はないと判断して買う取引方法。
たとえば、ドル円が買われすぎていると判断できる場合、今後下落する可能性を考えて売り注文を入れた方がいいと予測を立てることができるでしょう。
【トレンド系】テクニカル分析のチャートの見方・やり方
トレンド系のテクニカル分析で知っておきたい指標が以下の5つです。
- ローソク足
- 移動平均線
- 一目均衡表
- ボリンジャーバンド
- パラボリック
ローソク足
FXのチャート画面でよく目にするのがローソク足で、チャート分析の基本といわれています。
以下の画像のように、始値・高値・安値・終値の4つの動きを表示する役割があります。
ローソク足のおもな見方が以下の3パターンです。
【陽線】
始値よりも終値が高い状態のこと。
ローソク足の形が短ければ買いの勢いが弱く、ローソク足の形が長ければ買いの勢いが強い。
【陰線】
始値よりも終値が安い状態のこと。
ローソク足の形が短ければ売りの勢いが弱く、ローソク足の形が長ければ売りの勢いが強い。
【ヒゲ】
ローソク足本体から伸びる線のことで、上に伸びるのが「上ヒゲ」、下に伸びるのが「下ヒゲ」と呼ばれる。
- 上昇トレンド後に上ヒゲが伸びた場合
→反落する可能性がある - 下降トレンド後に下ヒゲが伸びた場合
→反騰する可能性がある
ローソク足はチャートを構成する重要な指標の1つのため、上記の見方は覚えておくといいでしょう。
移動平均線
移動平均線とは、一定期間の平均価格を算出して平均値を折れ線グラフのように表したものです。
グラフで平均価格の流れを見ることができ、相場が過去よりも高いのか安いのかを判断できます。
テクニカル分析による移動平均線は、以下のような使い方が一般的とされています。
- 短期の平均線が中期の平均線を下から上へ超えた
→買いのサイン - 短期の平均線が中期の平均線を上から下へ割り込んだ
→売りのサイン
移動平均線は、《短期線・中期線・長期線》といった3種類があります。
期間の違う平均線を組み合わせると平均線がクロスする瞬間があり、そのタイミングで買いなのか売りなのかを上記のように分析することが可能です。
また、平均線が上に伸びている状態を「上昇トレンド」、平均線が下に伸びている状態を「下降トレンド」といわれています。
移動平均線をチェックすることで、現在のトレンドを把握することができるというわけです。
一目均衡表
一目均衡表(いちもくきんこうひょう)は、ローソク足と以下の5本の補助線を組み合わせてつかうテクニカル指標です。
- 基準線
- 転換線
- 遅行線
- 先行スパン1
- 先行スパン2
先行スパン1と先行スパン2の間の空間は「雲」と呼ばれ、雲が厚ければ抜けにくく、雲が薄ければ変動が起こる可能性があると考えられるといわれています。
そして、補助線とローソク足は以下のように組み合わせて使い、買いシグナルを「好転」、売りシグナルを「逆転」と呼びます。
【好転(買い)】
- 転換線が基準線を上回る
- 遅行線がローソク足を上回る
- ローソク足が雲を上回る
【逆転(売り)】
- 転換線が基準線を下回る
- 遅行線がローソク足を下回る
- ローソク足が雲を下回る
3つの買いシグナルが揃うタイミングもあるといわれ、3つが揃っているとより強力な買いシグナルであると考えられています。
(逆に、売りシグナルが3つとも揃ってしまう場合もあります)
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは移動平均線の上下にある線で、過去の値動きから計算される値動きの幅を表すものです。
過去の値動きを統計学的に計算して、上下の帯の間で動く可能性を「σ(シグマ)」という値で示しています。
- 買いのサイン
→ボリンジャーバンドが-2σ〜-3σのラインに達した場合 - 売りのサイン
→ボリンジャーバンドが+2σ〜+3σのラインに達した場合
ボリンジャーバンドが-2σ〜-3σのラインに達すると、上向きの移動平均線に戻る可能性が高いといわれているため、買いのサインとなります。
一方で、ボリンジャーバンドが+2σ〜+3σのラインに達すると、下向きの移動平均線に戻る可能性が高いといわれているため、売りのサインとなるというわけです。
ただし、相場がボリンジャーバンドを抜ける場合もあり、相場が抜けた時は抜けた方向に強く伸びると考えられています。
ボリンジャーバンドは、バンドの幅が縮小している時は上下のラインを超える傾向があるといわれています。
逆にバンドの幅が拡大している時は、上下のラインに達すると値段が戻る傾向があるそうです。
そのためボリンジャーバンドでテクニカル分析をする際は、以下のように判断できると考えられるでしょう。
- バンドが拡大している時
→相場が戻ると想定して対応する - バンドが縮小している時
→相場が抜けると判断して対応する
パラボリック
パラボリックは、SARというラインを使って売買シグナルを示す指標です。
SARは、上昇トレンド時はチャートの下に表示され、下降トレンド時にはチャートの上に表示されます。
SARを使ったパラボリックのやり方が以下の通りです。
- 下降するSARと上昇レートが交差するタイミング
→買いのサイン - 上昇するSARと下降レートが交差するタイミング
→売りのサイン
パラボリックは値動きが穏やかで横ばい傾向の時よりも、大きなトレンドを形成する際に有効といわれています。
【オシレーター系】テクニカル分析のチャートの見方・やり方
オシレーター系のテクニカル分析では、主に次のような指標に注目して分析していきます。
- RSI
- RCI
- MACD
- ストキャスティクス
- DMI・ ADX
RSI
RSI(アールエスアイ)とは、買われすぎか売られすぎかを指数化したもので、売買のタイミングを分析するための指標です。
RSIの数値は0〜100で表示され、その数値から次のように買いなのか売りなのかを判断できるといわれています。
- 70〜80の値→買われすぎで《売りのサイン》
- 30〜20の値→売られすぎで《買いのサイン》
また、RSIは一定の幅で動く相場の際に有効と考えられています。
相場が大きく動くタイミングでは、値の動きも高頻度になり判断を誤る可能性が高くなるため注意が必要です。
RCI
RCIは「順位相関指数」という意味で、一定期間の日付とレートのそれぞれに順位をつけて、お互いの相関関係を求めて相場を分析する方法です。
RCIは〈-100%〜+100%〉で表示され、下降の場合は最大-100%(売られすぎ)・上昇の場合は最大+100%(買われすぎ)となります。
そんなRCIでは、以下のように売買を判断できるといわれています。
- +100%付近までレートが達する
→反転して下落する可能性がある - -100%付近までレートが達する
→反転して上昇する可能性がある
完全に±100%に達していなくても、±80%を売買サインの目安にする見方もあるそうです。
MACD
MACD(マックディー)とは、移動平均線の精度を高めるための指標です。
MACDの値は、短期の移動平均線と中期の移動平均線の差によって算出されます。
指標には、「MACDライン」と「シングルライン」の2本が表示されます。
この2本の線に注目して、次のように売買のタイミングやトレンド傾向を予測していきます。
【売買のタイミング】
- MACDラインがシングルラインを“下から上”に抜けた
→買いのサイン - MACDラインがシングルラインを“上から下”に抜けた
→売りのサイン
【トレンドの予測】
- MACDラインが0よりも上にある
→上昇トレンド - MACDラインが0よりも下にある
→下降トレンド
上記の使い方でMACDを活用すれば、移動平均線の信頼度がより向上すると考えられています。
ストキャスティクス
一定期間の高値と安値から、現在の価格が買われすぎなのか売られすぎなのかを判断するための指標がストキャスティクスです。
ストキャスティクスには、動きの速い「%K(パーセントケー)ライン」と、動きの緩やかな「%D(パーセントディー)ライン」があります。
【判断基準】
- %Kラインが75%を超える→買われすぎ
- %Dラインが25%を下回る→売られすぎ
【売買のタイミングの目安】
- %Kラインが%Dを上抜きした場合→買いのサイン
- %Kラインが%Dを下抜きした場合→売りのサイン
ストキャスティクスは2本の線で可視化して売買のタイミングを分析できるため、相対的に判断しやすいテクニカル指標といわれています。
ストキャスティクスも一定の値幅の動きの際に有効とされており、相場が大きく動くタイミングでは“ダマシ※”が発生しやすくなるため注意が必要です。
※売買のサインとは逆に動く現象のこと。
DMI・ ADX
上昇の強さを示す「+DI」・下降の強さを示す「-DI」・トレンドの強さを示す「ADX」の3つの指標で分析するのがDMI・ ADXです。
DMI・ ADXは複数のラインの組み合わせから売買のタイミングを分析します。
【+DIと-DIの組み合わせ】
- +DIが-DIを下から上に抜いた
→買いのサイン - +DIが-DIを上から下に抜いた
→売りのサイン
【+DI・-DIとADXの組み合わせ】
- +DIが-DIを下から上に抜いた後、ADXが上昇
→買いトレンドが発生している - +DIが-DIを上から下に抜いた後、ADXが上昇
→売りトレンドが発生している
+DIと-DIの組み合わせだけでも売買のタイミングを分析することは可能ですが、それだけではダマシが多いといわれています。
より正確に相場を分析するのであれば、ADXと組み合わせるといいでしょう。
FXでのテクニカル分析の注意点2つ
①1つの指標だけでなく複数を組み合わせて分析する
テクニカル分析は、1種類だけだと大きな効果は期待できないとされています。
1つのテクニカル指標だけに注目して分析し、その分析通りに相場が動かなかった場合、リスクを抱える可能性があるからです。
複数の指標を組み合わせることで分析の精度が高まり、リスクを回避できたり利益を上げたりすることに役立ちます。
Aの指標とBの指標で同じようなシグナルが見て取れるなら、信頼度の高い判断材料となるでしょう。
また、トレンド系とオシレーター系は分析する対象が少し異なるため、それぞれの強み・弱みを補うように組み合わせるのが効果的と考えられています。
たとえば、移動平均線とMACDを組み合わせることで、トレンド分析の精度を高められます。
②パターンが当てはまらない場合もある
テクニカル分析は、どんなパターンの相場の動きにも対応できるとは限りません。
上述でも触れた通り、オシレーター系のテクニカル指標は相場が急変するタイミングでは上手く機能しない場合があります。
予想とは逆に動くダマシが発生してしまい、損失が発生する可能性もあることは覚えておきましょう。
相場が大きく動く可能性に備えるためにも、値動きに影響を与える「ファンダメンタルズ分析」も最低限取り組んでおくといいといえます。
まとめ
FXでテクニカル分析を行えば、今後のトレンド傾向や売買の流れを予測することができます。
過去のチャートから視覚的に分析できるため、FX初心者でも取り組みやすい手法といえるでしょう。
テクニカル分析には「トレンド系」と「オシレーター系」の2種類があるため、慣れてきたら複数の指標を組み合わせて分析してください。
- トレンド系→値動きのトレンドや強さを分析する
- オシレーター系→相場の中で買われすぎ・売られすぎを分析する
まずは、わかりやすい移動平均線やストキャスティクスを活用してはどうでしょうか。
テクニカル分析のやり方は、テクニカルアナリストの方が以下の動画で詳しく解説しています。
テクニカル分析のスキルを身につけたい方は、あわせてチェックしてください。